
「ロジックツリーからフェルミ推定を行う」の記事が評判が高かったので、内容を少し変えて、就活・インターンの面接向けに、改変をして改めて記載させていただきます。
今回は、Pioedge/パイオエッジ 小早川鳳明の新著「世界のトップコンサルが使う 秒速で人が動く数字活用術」(PHP研究所)(全国の書店で販売中)の一部を紹介させていただきます。
【ケース面接の例】
電気自動車には、リチウム電池が搭載されています。
リチウム電池は「電池セル」の集合体です。
現在と将来の電気自動車向けリチウムイオン電池の電池セルの市場規模を推計しなさい。
コンサルティング会社の面接では、ケース面接が出題されるというのは、就活やインターンシップを行ったことがある方にはよく知られた話です。ケース面接の多くの場合フェルミ推定のスキルが試されます。
しかし、多くの方は、ケース面接の際に何も考えず、MECEを意識することもなく、いきなりフェルミ推定の数式を作り始めてしまいます。これでは、内容に”もれ”のあるフェルミ推定となってしまいケース面接を攻略することはできません。
【不十分な回答例(現在のセル数市場規模推計)】
リチウムイオン電池のセル数=電気自動車の製造台数✕1台あたり搭載セル数
よくみる答えですが、これでは市場規模の大事な要素が抜けもれてしまっています。劣化した電池の交換需要です。電気自動車の場合は、新車から中古車となり廃棄されるまでの間に、電池が劣化し交換する需要が発生するはずですが、これを見逃していました。上記の式では、新車の製造台数しか含まれていません。
MECE、ロジックツリー、フェルミ推定の3つは結びつけて考えることが重要
実は、MECEとロジックツリーとフェルミ推定は密接に結びついています。
MECEの考え方を用いて、要素や項目に”もれ”のないロジックツリーを作り、フェルミ推定を行います。
(図は「世界のトップコンサルが使う 秒速で人が動く数字活用術(8/29)より抜粋」)
MECEの考え方に基づいて”もれ”なく考えた、市場の構成要素を整理したロジックツリーも用います。正しいロジックツリーの作り方は書籍で紹介をしていますが、正しいロジックツリーを作ることができれば、抜けもれなく市場を構成する要素の全体像を把握することができます。
【ポイント】
”もれ”なくMECEに考え、ロジックツリーをつくると、フェルミ推定の式から漏れていた要素を発見することができます。例えば、上述の不十分な回答例では「劣化交換用」需要を、見逃してしまっていました。
ロジックツリーからの変換方法をしらないと、正しくフェルミ推定ができない
”もれ”のない、正しいフェルミ推定を行いたいのであれば、ロジックツリーからフェルミ推定の式に変換する方法を取ることが良いでしょう。”もれ”なく作ったロジックツリーも用いれば、難しいことを考えることなくほぼ自動的にフェルミ推定の式を作ることができます。将来の市場規模の推計も同様です。MECE、ロジックツリーの考えい方を活かすと、5年後10年後の市場規模や自社の売上高を推計することも可能です。(本書では、他のケース事例でも、この考え方を応用できるように詳しく解説しています。)
なぜ、コンサル会社ではフェルミ推定がここまで重要なのか?
これがわかれば、周りに差をつけれられる。
コンサル会社の面接で、ここまでフェルミ推定が出題される理由は、もちろん、コンサルティングの実務においてとても重要なスキルだからです。毎日のようにフェルミ推定の考え方が使われています。
コンサル会社の面接官が、なぜフェルミ推定を出題しているの化、その中でどのような点を評価し、どのような点を評価しないのか理解して置かなければ、どんなに頑張ってもケース面接で高い評価を得ることはできません。コンサルタントが担う戦略作成やその他の業務において、どのようにフェルミ推定が使われているのかを、把握しておくことが大事です。
ちなみに、フェルミ推定をコンサルタントが重視する理由は、「現在のXXの市場規模を推計してクライアントに説明するため」と答える人がいますが、それま間違いです。とくに大企業の戦略をつくるときであればあるほど、現在の市場規模や売上規模は、調べればわかりますので、これはコンサルタントの本業ではありません。(この点についても本書をお読みいただければわかると思います。)
本書では、実際の決算数数値を用いて説明
「世界のトップコンサルが使う 秒速で人が動く数字活用術」(PHP研究所)では、上場企業の実際の決算数値を事例として、コンサルタントがどのように数字を扱い、大企業や組織を動かしているのかを説明しています。
コンサルティング会社への転職や就活・インターンシップを目指す方々にもおすすめの内容です。
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